5/08/2010

日本辺境論

日本辺境論 (新潮新書)日本辺境論 (新潮新書)

新潮社 2009-11
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4月頭に読みましたが、レビューを書くのに手間取りました。


日本人は常にレスポンスを行う民族である、ということが

一貫して述べられている。

すなわち、権威的な周囲の勢力の出方をもとに、

自分の立場・行動を決めるということだ。


上記のことについて述べているこの本そのものが、

アメリカや西欧の事例を引用して、翻って日本はどうか

という流れで書かれていることが面白かった。

国同士の比較にせざるを得ない部分は大いにあるとは思うが、

筆者はこれに気付いて筆を進めていたのだろうか。


個人的に興味深かったのは、「機」の思想が触れられた、第3章だ。

同時性(と表現していいのだろうか)と、「辺境性」がうまく議論として噛み合っていたように思う。


引っ掛かったのは、「無意識」を論証の過程で何度も使用したことだ。

これでは印象論にしかならない。

もちろん、この本で厳密な論証は行わないとまえがきに書かれてはいるのだが。


総じて、読み物として面白い本だった。

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