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新幹線で実家から帰るときに読んだ。
あまり小説は読まないのだが、
あっという間に読み切れてしまった。
この小説は、「学級」という特殊な空間設定
によって、その複雑さが一層際立っている。
自分の意志によらず集められた生徒たち、
そして生徒に最も密着している大人としての教師。
以前大学の講義で、「学級」について
批判的に書かれた論文を読んだ。
そこに書かれていた主張は、
おおよそ以下のようなものである。
学級は、生徒の意志とは無関係に形成され、
しかも離脱が許されないものである。
その特殊な集団は、人間関係など様々な
問題を引き起こしうる。
社会的な振る舞いがあまり身についていない
子供に、そのような集団を押し付けるのは
果たして良い政策といえるのか。
この主張に対して、僕は否定的な意見を持っていた。
なぜなら、僕は偶然にも人間関係に悩まされる
ことのない、「よい」学級で過ごしてきたからだ。
しかし、この小説を読んで学級の問題点を
(過剰ともいえる例を用いて)明示されたことで、
やはり学級の問題点に対する目配りも必要だ
と思うようになった。
学級で問題が起こったとき、教師に何ができるのか。
教師が「解決した」と感じたとしても、それは教師に
見えている範囲においてのみであり、実際には
問題が地中に隠れ、さらに根深いものに変化して
しまっているのではないか。
教師という存在について、考えさせられる作品だった。
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