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気付いてみれば、なぜか内田樹の本が続いている。
以前、『下流社会』を読んだので、これでつごう3冊読んだ。
読後感がすっきり、というわけではなく、
むしろもやもやするのに、なぜか読んでしまう。
不思議なものだ。
筆者の主張は(先生の側からパラフレーズすると)
簡潔には以下のようなものである。
先生が生徒にとって「もやもやした存在」であることによって、
生徒の、先生に対する敬意を引き出すことができる。
また、この行為は解釈の「幅」を伴うことが内在的に
組み込まれている、コミュニケーションを基盤として
成り立っていることである。
つまりは、誰に何をしてほしいのだろうか・・・?
この本はまえがきにも書かれているように、
「生徒が、『先生はえらい』と思えるようにするには
どうしたらいいのか」ということを目的としている。
おそらく、この本の真の目的は、「で、どうしたらいいの?」
と「もやもや」させることにあったのだろう。
『下流社会』にも触れられていたが、大衆消費社会に
生きる子供たちに、即自的なやり取りだけでは割り切れない
ものもある、ということを伝えたいのではないだろうか。
blogに書くにあたって読み返しながら、
かくいう僕自身も「もやもや」してしまった。
ひとつだけ気付いたのは、
この本の存在価値は「何も語らなかった」
ということにあるのだろう、ということだ。
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