7/25/2010

印象派とカンヌ(その2)。













「パリ20区、僕たちのクラス」
http://class.eiga.com/

今日はよくばってもうひとつ。
岩波ホール@神保町へ行ってきました。
こちらも前から観たいと思っていた映画です。

率直に言って、素晴らしい映画だと思います。
スタッフロールに入った瞬間、感動でゾクゾクしました。
以前、映画館で「縞模様のパジャマの少年」を
観た時に匹敵する衝撃でした。
(全然中身の違う話なんですが・・・なんでだろう。)

ちなみに、「縞模様のパジャマの少年」も素晴らしい作品です。
ご覧になってない方はぜひ!

以前にこのブログで、「告白」のブックレビューを
した際に、「学級」についてコメントさせてもらいましたが、
そのあり方についてさらに深く考えさせられる映画でした。

最後に生徒の女の子が、プラトンの「国家」を読んで
その内容を紹介するという場面があるのですが、
そのなかで

「お前は自分のことが正しいと証明できるか?」

というコメントが出てきます。(確かそんなコメントでした)

これが「学級」の根幹をなす言葉のひとつなのではないでしょうか。

生徒は「学級」という閉鎖的な空間に放り込まれ、そのなかで
長い間生活し、いろいろな体験をしていきます。
教師は、「常に正しい模範」であることが要請されるものの、
内心では人間だからこそ、「自分は模範的な大それた人間じゃない」
という気持ちと葛藤しながら、子どもたちと真摯に向き合います。

生徒はもちろん、教師も常に心を揺さぶられ、相互作用によって
成長していくのだと思います。

「正しさを証明できない、でも自分の存在を善なるものとして証明したい、認められたい」
そんな葛藤が渦巻いているのが「教室」なのではないでしょうか。

この映画ではすっきりとした解決は何も提示されません。
でもその割り切れなさいっぱいの状況が、現実くささを引き立てるのでは
ないでしょうか。


日々の生活においても、大半はそうであるはずです。

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