4/10/2010

マイレージ・マイライフ(UP IN THE AIR)









「マイレージ・マイライフ」official site
http://www.mile-life.jp/

映画が面白い季節になってきた。

先日、「マイレージ・マイライフ」を観に行った。
作品の詳しい説明はofficial siteに譲って、
さっそく感想を書こうと思う。




物語序盤の軸となるのは、現場主義のライアンと
IT化による合理化を図るナタリーの会話である。

これはまるで、現場に重きを置く「日本的経営」と
論理的手法を駆使する「アメリカ的経営」の対比に思える。
「日本」が負けて「アメリカ」が勝つ、なんていう安直な
最期はいやだなぁ、と少し心配。

しかし物語ではライアンとアレックスの恋愛が
描かれるようになる。
次は「いままでふらふらしてきたライアンが
おさまりどころを見つけて、ハッピーエンドかな」と読む。

ところが、そういうわけでもない。
ライアンはアレックスとうまくいかなくなるのだ。
では、この物語の落とし所は?

結局、物語の中で落とし所が描かれることはない。
何かあるはずだ、とよく考えてみると、
この映画の原題は "Up in The Air" なのだ。
直訳すれば、「宙ぶらりん」といったところか。

ライアンがリストラを宣告した会社員たちも、
自分に自信を失い会社を辞めたナタリーも、
そしてライアンまでも最後には「宙ぶらりん」
になってしまうのである。

極めつけはend roleの音楽。
監督の知り合いがリストラされたときに
気持ちをつづった曲が流れるのだが、
その曲のタイトルは、
"Up in The Air"。

end roleを見ながら、観客までも「宙ぶらりん」に
なっているかの様な感覚に陥るのである。

最後に隠し味がピリッと効いている。


一見smartに生きているかに見える人たちが、
実は「宙ぶらりん」を経験しながら生きている。


監督が伝えたかったのは、「みんな苦労してるんだよ」
ということなのだろうか?


DVDが出たら、もう一度見て反芻してみたい。
「すっきりしなくてよかった」と思える映画だった。



0 件のコメント:

コメントを投稿